「新郎謝辞」は、結婚式の結びにあたるとても重要なシーンです。限られた時間の中で、しっかりと文章を考えて、ゲストに感謝の気持ちを伝えて感動してもらいたい!と思っている人も多いのではないでしょうか?
でも、たくさんのゲストや、新婦側の親族を前にして、しっかり話すことができるのか、今から心配な新郎様も多いのですよね。
そこで今回は、結婚式の新郎謝辞でゲストを感動させること間違いなしの具体的な文例や、文章を作る際のポイントについてご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
結婚式の新郎謝辞|感動させる書き方の構成
結婚式の新郎謝辞の構成は、
というような流れで話すのが一般的です。ただ、1、2、4、5についてはある程度定型的な文章があるため、誰が話してもほぼ同じような内容になっていくでしょう。
そのため新郎が感動的なエピソードを盛り込めるのは「3.本題」の部分になります。本番はゲストを前にとても緊張すると思いますが、「3.本題」以外の普段あまり使わないような言い回しだけだけしっかり頭に入れておけば、落ち着いて謝辞に臨めますよ。
ここからは1つ1つ詳しく言い回しや意味をご紹介していきます。
①挨拶
結婚式の締め括りにあたる新郎謝辞。新郎の謝辞の前には、両家を代表して親が挨拶をしてくれているのが一般的。新郎にバトンが渡されたら、まずはしっかりと自分の言葉で挨拶から入りましょう。
一般的なフレーズは
「本日は、私たちふたりのためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。」
「本日は大変ご多用のところ、私たちの結婚式にご参加いただき、誠にありがとうございます。」
などです。
②参列ゲストへの御礼
挨拶の次に話すのは、参列してくれたゲストへの御礼です。この御礼の言葉は、結婚式に集まってくれた人数や、お互いのゲストがどこから来てくれたのか、進行の中で挨拶やスピーチをしてくれた、などを考慮して文章を考えるのが良いでしょう。
例えば、たくさんのゲストが結婚式に参加してくれた場合は
「私たちのために、こんなにも多くの皆様にご参列いただき、とても嬉しく思っております。」
遠方からかけつけてくれたゲストがいる場合は
「私たちのために、遠方からお越しいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。」
と配慮の気持ちを文章に盛り込みましょう。
祝辞や友人スピーチをいただいたゲストがいる場合は
「ご祝辞をいただいた●●さんをはじめ、友人代表スピーチをしてくれた■■さん、本当にありがとうございます。」
など、お名前と一緒に感謝の気持ちをお伝えしましょう。また、感謝の気持ちを伝える相手の方を見て話をすると気持ちが伝わりやすくなりますよ。
③本題
この「本題」の部分が、新郎がゲストに伝えたいことを最も自由に盛り込める部分となります。ですが、この部分で必ず話しておきたいのが
- 結婚式をおえて感じている気持ち
- 今後の夫婦としての目標
です。「結婚式をおえ、晴れて夫婦になれたことを実感し、とても嬉しく思っています。」「これからはふたりで支え合い、温かい家庭を築いていきたいと思っています。」など、率直な気持ちと夫婦としての目標は、その場にいるゲストも聞きたいと思うので、必ず伝えていきましょう。
ただ、この2つだけだと感動的な新郎謝辞とまではいかないかもしれません。この内容に加えて、
などを加えて謝辞を考えていくと、懐かしいエピソードや、本当に伝えたい感謝の気持ちが言葉になってくるはずです。また、この本題で話をするときに特に気をつけたいのが、結婚式というお祝いの場にふさわしくない忌み言葉やNGワードを口にしてしまうことです。せっかく感動的な話ができても、忌み言葉やNGワードが出てしまうと、せっかくの感動的な雰囲気が台無しになってしまいます。
文章を考えるときは、忌み言葉やNGワードが入っていないか、必ず確認するようにしましょう。
④今後のお願い
本題を話し終えたら、今後のふたりについて、ゲストにお願いの言葉を述べていきましょう。結婚式にはお互いの縁がある人たちや家族が集まっているため、結婚式が終わって晴れて夫婦となった後も、その場に集まってくれてゲストとは関係がずっと続いていきます。
そんな大切なゲストには、
「まだまだ未熟なふたりでございますので、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。」
と今後のお願いの言葉を述べましょう。
もう少し文章を付け加えたい場合は
「これからも私たちふたりを見守っていただけますと幸いです。」
などと前置きを付けるのもおすすめです。
⑤結びの言葉
全て話終えたら、結びの言葉を述べましょう。ここは最後の一言になるので、今までは紙を持ってを読んでいた、という人も、しっかり顔を上げて、ゲストの方を見て話せると良いですよ。
一般的なフレーズは
「本日は私たちの結婚式にご参加いただきまして、本当にありがとうございました。」
などです。
目の前のマイクスタンドから少しずれて、しっかりとお辞儀をして謝辞を終了しましょう。
新郎の謝辞|感動させる例文【全文紹介】
結婚式の結びにあたる、とても大切な新郎の謝辞。参列してくれたゲストや、新婦側のゲストや親族にも、「この人と一緒になって良かった!」そう思ってもらえるような感動的な謝辞を読み上げることができたらとても素敵ですよね。
ここでは、そんな参列ゲストや新婦を感動させる謝辞をご紹介します。これから謝辞を考える人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
例文1
本日は私たちの結婚式にご参加いただき、誠にありがとうございます。
祝辞をいただいた●●様をはじめ、友人代表スピーチや余興をしてくれたみんな、本当にありがとうございます。私たちにとって、本当にわすれることができない、大切な思い出に残る一日になりました。
無事に今日という日を迎え、皆さまより温かいお祝いのお言葉を頂戴し、夫婦共々、大変感激しております。これからはふたりで協力して、温かい家庭を築いていきたいと思っています。
ただ、私たちふたりは、まだまだ至らないところもたくさんあります。これからは、お互い支え合い、ふたりで温かい家庭を築いていきたいと思っています。これからもご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
例文2
本日はご多用の中、私たちの結婚式のためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。皆さまより励ましやお祝いのお言葉を頂戴し、感謝しております。
遠方よりかけつけてくれた親族の皆様をはじめ、普段大変お世話になっている職場の皆様、ずっと変わらずそばにいてくれる友人の皆様、大切な方々に見守られ、今日という日を迎えることができ、心から嬉しく思います。
親族の皆さまには、小さい頃から面倒を見ていただき、ありがとうございます。私にとって家族や親族の皆さんは本当にかけがえのない存在です。これからは、たくさん恩返しさせてください。
また、これからは●●さんを守り、幸せな家庭を築くため、今後はより一層気を引き締めて仕事に励んでまいります。職場の皆様、これからもどうぞご指導のほど、よろしくお願いいたします。
そして、これまでずっと仲良くしてくれている友人の皆様、これからも変わらないお付き合いを、夫婦共々よろしくお願いいたします。
そして最後に、今日まで何不自由なく育ててくれたお父さん、お母さん、本当にありがとうございます。これからは自分が家族を支えていけるように、精進していきます。これからは、たくさん親孝行させてください。
まだまだ未熟なふたりですが、ふたりで素敵な家庭を築いていきたいと思います。
皆様には今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いします。
本日は本当にありがとうございました。
例文3
本日は、本当にありがとうございました。
参考になる先輩新郎の謝辞動画
自分の親への感謝、相手の親への感謝、参加してくれたゲストへの感謝、今後の目標と決意が全てバランスよく盛り込まれている新郎謝辞になっているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
新郎謝辞の感動が台無しに!忌み言葉・NGワードとは?
結婚式というお祝いの場では、不吉なことを連想させる縁起の悪い“忌み言葉”を使わない方が良いとされています。特に、結婚式の結びにあたる新郎謝辞の場面では、忌み言葉には特に気をつけたいですよね。
では結婚式で使ってはいけない忌み言葉・NGワードの代表的な言葉をご紹介します。
- 不吉・不幸なことを連想させる言葉
忙しい、終わり、終わる、最後、落ちる、欠ける、枯れる、割れる、消える、壊す、崩れる、去る、散る、死ぬ、絶える、捨てる、流す、無くす、亡くなる、冷える、滅ぶ、病む、破る - 「別れ」を連想させる言葉
終わる、切る、切れる、裂ける、捨てる、逃げる、離れる、滅びる、戻る、別れる、破る、割る、離婚 - 重ね言葉
重ね重ね、くれぐれも、しばしば、たびたび、たまたま、次々、時々、どんどん、日々、ますます、みるみる、わざわざ
「新郎新婦が一生に一度の愛を誓う日」「夫婦のはじまりの日」「新郎新婦両家を結ぶ日」という印象が強い結婚式では、別れを連想させる言葉や、同じことが繰り返される重ね言葉が相応しくないのは感覚的に理解できますよね。
文章を考えているときに迷ってしまったら、一般的にNGな忌み言葉が入っていないか見返したり、結婚式という場に相応しい表現なのか、今一度確認してみることをおすすめします。
披露宴の新郎謝辞で感動させるコツを紹介
ここまでは一般的な謝辞の構成や例文、使ってはいけない言葉をご紹介してきました。でも、どんなことを話せばその場にいるゲストに感動してもらえるのかわからない!という人もいますよね。ここでは、感動してもらえる具体的な事例や内容をご紹介します。
謝辞にエピソードを入れるのも◎
新郎謝辞では、新郎新婦ふたりのことだけでなく、関わってくれたゲストとのエピソードを盛り込むのもおすすめです。懐かしいエピソードを聴いたゲストも、新郎新婦との思い出が蘇り、感極まってしまう人も多いはずです。
①自分の親とのエピソード
- 幼少期の印象に残っている思い出話
- 反抗期に苦労をかけた話
- 何不自由なく育ててもらえた御礼
両親に感謝の気持ちを伝える「新婦の手紙」は一般的ですが、新郎は手紙を読むという進行を入れないケースが多いため、謝辞のシーンで親御様に感謝の気持ちを伝えることが多いようです。親御様と目を合わせて、改めて育ててくれたことへの感謝の気持ちを伝えれば、きっと感動してくれるはずですよ。
②新婦の親とのエピソード
- 新婦を素敵な人に育ててくれたことに対する感謝
- 自分を家族として受け入れてくれたことへの感謝
自分の親への感謝の気持ちを述べるのと同じくらい大切なのが、相手の親御様への感謝の気持ちです。「この人と結婚できて嬉しい」「この人を親御様と同じように大切にします」という気持ちを素直に伝えましょう。新婦側の親族もきっと喜んでくれますよ。
③会社関係者とのエピソード
- 日頃会社でお世話になっている御礼
- 社会人として成長できた御礼
- 上司や部下との思い出話
日頃最も時間を共にしているのは、会社関係のゲストです。会社関係のゲストを招いたら、日々の感謝の気持ちを改めて伝えても良いでしょう。特に、会社を通じて出会ったふたりなのであれば、そのエピソードを盛り込むのも素敵です。
④友人とのエピソード
- 変わらず友達付き合いをしてきてくれた御礼
- 学生時代の印象に残っているエピソード
青春時代を共にした友人とは、思い出深いエピソードも多いはず。喧嘩したこと、旅行したこと、朝まで遊んだこと、自分が思い出に残っていることは、きっと友人も覚えてくれているはず。具体的なエピソードと一緒に、改めて関係が続いているご縁に感謝の気持ちを伝えましょう。
⑤式場関係者とのエピソード
- 打ち合わせ時印象に残っているエピソード
- 一緒に結婚式を作り上げてくれた御礼
新郎新婦と同じ思いで結婚式を作ってくれるのが、式場関係者の方々です。大事な場面で自分のゲストのことだけでなく、式場関係者まで御礼の気持ちを述べることができたら、「この人は気が利くな」「優しい新郎だな」と思ってもらえますよ。会場内にいるスタッフたちも感動してくれること間違いなしです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はゲストを感動させる新郎謝辞のポイントを具体的な例文やエピソードと一緒にご説明しました。改めてポイントをまとめると…
- 基本の構成を把握し、定型的な文章はなるべく覚えておく
- 本題では「率直な感想」と「今後の目標」を盛り込む
- 具体的なエピソードと一緒に感謝の気持ちを伝える
- 伝えたい相手の方を見て話すように意識する
- 自分の親への感謝を謝辞の中に盛り込む
- 忌み言葉・NGワードを使わないように注意する
新郎謝辞の一般的な構成を把握し、親やゲストとのエピソードを思い出しながら文章を作ってみましょう。自分が印象に残っている思い出やエピソードは、きっと相手も覚えてくれているはずです。
結婚式は普段なかなか伝えることができない感謝の気持ちを素直に伝えることができる場です。ゲストに感謝の気持ちを素直に伝えることで、きっとゲストも感動してくれますよ。
素敵な新郎謝辞になることを祈っています。
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