カッコウというと『托卵』をする
ちょっとイメージの悪い野鳥として
有名かもしれませんね。
托卵とは、別の種類の鳥の巣に自分の卵を
忍ばせて代わりに育てさせるという、
人間からしたらとんでもない悪行に思える
カッコウ科によくみられる習性です。
ですが、そんな托卵も実はバレることもあり、
しかも報復されることがあるって
知っていましたか?
ということで今回はカッコウの托卵と、
托卵される鳥たちの間で巻き起こる
抗争劇をご紹介したいと思います!
カッコウが托卵すると報復されることがある?
まず托卵というのは、まず別の鳥の巣に
自分の卵を産み落とすところから始まります。
そして孵化したカッコウの雛はなんと、
本能的に自分以外の卵を巣の外に
落としてしまうんです。
そのためにカッコウの雛の背中には
卵が乗せやすいようにくぼみがあるとか…
動物の進化の恐ろしさを感じますね。
しかし、托卵される鳥も黙ってはいません。
カッコウは主に繁殖時期や環境が共通した
オナガ、モズ、オオヨシキリ、ホオジロなど
といった鳥の巣をターゲットにします。
これらの鳥も本能的に
「カッコウは危険!巣を守らなければ!」
と認識しているため、カッコウがいると
大きく鳴いて攻撃を仕掛けます。
また、追い払ったとしても隙をついて卵を
産み落とされてしまった後でも、
なんと育児放棄という方法で報復をするんです!
カッコウの托卵がバレると育児放棄をされる?
鳥が育児放棄…?と疑問に思う方もいるかも
しれませんが、動物も育児放棄はするんです。
万が一、自分の卵を落とされてしまい
自分が育てていたのはカッコウの雛だと
気付いた仮親(托卵された鳥)は
もうその雛の世話を一切しなくなるんです。
カッコウにとっては、雛が育たずに
繁殖が失敗することが何よりも
報復となるわけです。
托卵も相当むごい印象がありますが、
その報復方法もなかなかむごいので
自然界の厳しさを感じますよね…
それでは、どうやってカッコウの托卵は
気付かれてしまうのでしょうか?
カッコウが托卵すると気付かれる3つの考えられる原因は?
「これは私の雛ではないわ!」と仮親が
気付く原因がいくつか噂されています。
今回はその主な原因の3つをご紹介します!
1.体の大きさ
カッコウが托卵する鳥のほとんどが
カッコウよりも小さい種類のものです。
なので当然雛も大きさがまるで違うんです。
托卵が成功して自分以外の卵を落とすことが
出来ていれば比較対象がないため
気付かれにくいですが、もし本当の自分の
雛もいた場合は比較できてしまいます。
そして、他の雛よりも大きい=自分の雛ではない
と気付くという説があります。
2.体の色
大きさだけでなく体の色も全く異なります。
カッコウの雛だけであれば気付かれづらいですが
こちらももし比較対象となる自分の雛がいれば
違いに気付ける可能性があるそうです。
ただし、カッコウの中には雛も仮親の雛に
似せて進化を遂げた種類もいるそうで
動物の進化の可能性には驚くばかりですね。
3.鳴き声
もう一つは鳴き声です。
まずはカッコウの特徴的な鳴き声を
こちらの動画で確認してみましょう。
こちらは成鳥のカッコウですが、
雛の時でもやはり多少の鳴き声の違いがあり
もし他の雛と比較されてしまったら
見抜かれてしまうという説があります。
ということで、体の大きさと色、そして鳴き声
といったものでバレてしまうという説ですが
いずれも本当の雛が他に孵化していた場合に
可能性として考えられる要素でしょう。
実際には、こういった見た目や音で
見分けられることは少ないらしいんです。
カッコウの托卵がバレるのは稀なケースだって本当?
カッコウと仮親となる種の鳥との間では
托卵という行為に対してそれぞれが
進化しあって今の姿があります。
カッコウもバレないように卵の模様や
雛の姿を似せてきたりしてきましたが、
それに対抗して仮親の鳥も見分ける能力を
自然と身に着けて進化してきました。
そうはいってもやはり、
托卵されてしまったら見破られることも少なく
何も知らずにカッコウの雛を育てるという
ケースのほうが多いようです。
親鳥はそれが例え自分の雛じゃなくても
自分の巣にいて黄色い嘴を開けて鳴いていたら
本能的に餌を与えてしまうらしく、
カッコウの雛も愛情をもって育てるんだとか…
先述したように、比較対象となる本当の
雛が巣に残っていればまだ分かりませんが
カッコウの雛のみでは判断できないんですね。
まとめ
ということで、カッコウの托卵について
お話ししてきましたがいかがでしたか?
カッコウの托卵も気付かれてしまったら
育児放棄をされるという報復があり、
カッコウの雛も命がけで他の卵を
排除しなければならないんですね…
托卵という習性については未だ
明確に分かっていないことも多く
あくまでも諸説あるとしか言えませんが
そこには動物の進化の驚きがあります。
人間からみたら残酷で非道なカッコウの
托卵ですが、そうしないとカッコウも繁殖
することができないと言われています。
客観的な視点で見ればカッコウにとっては
ごく自然な子育て方法なのかもしれませんね。
カッコウ以外にも知っているようで
ちゃんと知られていない、トンビと鷹の違いが
気になる方はこちらも併せてご覧ください♪
⇒トンビとは?鳴き声の意味や鷹の違いの見分け方について徹底解説!
慈悲は通用しない厳しい自然界ならではの
手段や進化が、カッコウの托卵から
垣間見ることができましたね。
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