近年の日本の競馬において馬場状態や距離、
また右回りに左回りといった『コース形態』など
様々な条件が結果に大きく影響してきますが、
その中でも近年特に注目度の高いのが
『枠の決め方』です。
昨年末の有馬記念で、枠順を公開放送にて
決定したのは皆さんの記憶に
新しいところではないでしょうか。
今回はその枠順が決まるまでの流れや
枠順の有利・不利なども含めて
意外と知られていない部分を
ここで説明していきたいと思います。
競馬における枠順の決め方!
現在の日本競馬において
枠による有利・不利というのは
盛んに取り上げられていますが、
枠の決め方については意外と知らない人が
多いのではないでしょうか?
まず最初にレースにおける枠の決まるまでの流れ
を説明していきたいと思います。
1、枠順はどうやって決めるの?
枠順の決め方については現在
『1、コンピューターによる自動振り分け』
『2、人間による抽選形式』
の2パターンがほとんどとなっています。
この数年において年末の大一番有馬記念では
厩舎関係者による公開抽選が注目を集めていますが、
かつては有馬記念の枠順もコンピューターによる
自動振り分けでした。
では、最終的に枠順を決めているのは誰
になるのでしょうか?
2、枠順は誰が決めているの?
上記と重複する部分もあると思いますが、
結論から言ってしまえば枠順決めるのは
『機械』と言っていいでしょう。
もちろん人による抽選も行われていることから
全てがそうとは言えないかもしれませんが、
その抽選でもガラガラという『機械』を使っている
と考えればそれが答えと言ってもいいでしょう。
そう考えると、
近年を代表とする最強馬であったキタサンブラックが
大きなレースで度々有利な内枠を引き当てたのは、
かなりの幸運の持ち主であった
と言えるかもしれませんね。
競馬の枠順はいつ決まる?
基本的にレースの出走馬が決まるのが木曜日
となっており、
その後金曜日の10時
(天候によって競馬開催が左右される
1~2月の厳寒期は土曜日午前10時)
に枠順が発表される、
といった形が一般的となっています。
しかし、例外として
皐月賞・日本ダービー・菊花賞といった
クラシックレースや、
『八大競争』と呼ばれる
有馬記念やジャパンカップなどの
『金曜日に前々日発売が行われる11レースのGⅠ』
に関しては
木曜日の午後2時にコンピューターが自動で枠順を決定
するといった形がとられています。
さらに、前々日発売が行われないGⅠレースにおいては
調教師や調教助手といった厩舎関係者や騎手などが
自ら抽選を行うといったスタイルがとられており、
その際は一般的な『ガラガラ』と呼ばれる抽選器
が使われているそうです。
近年は有馬記念の公開抽選会など
イレギュラーな決定方法もありますが、
基本的にはGⅠレースにおいては木曜日の午後2時、
それ以外のレースにおいては金曜日の午前10時
に決まると覚えておけば問題ないと思います。
では次に枠順がレースに与える影響
に注目して見ていきましょう。
競馬の枠順で有利なのはどこ?
一般的にはより短い距離を走ることができる
『内枠』の方が有利と言えそうですが、
その競馬が行われる競馬場や距離、
芝・ダートの違いや天候による馬場状態の変化
によって有利な枠順が変わってきます。
ここでは以下の2つの項目から
有利な枠順について考察してみたいと思います。
1、競馬の枠順は『内枠』と『外枠』どっちが有利?
基本的には、
『インコースを走る=短い距離を走る』
ことができる『内枠』の枠順を引いた馬
が有利であるのは間違いないでしょう。
しかし、芝のレースにおいては開催が進み
内側の馬場状態が悪くなってくると
そこを通った馬がスタミナをロスした結果、
直線芝のきれいな外目を走れる『外枠』の馬
が有利になるといった逆転現象
が見られるようになります。
またダートでの競馬においても、
内枠を引いた馬はスムーズに先行できれば
問題ないですが、
行き脚が付かずに他の馬に先行されると
前の馬が蹴り上げた砂を被ってしまう
デメリットが生じることがあり、
一概に内枠が有利と言えない状況
があるのも事実でしょう。
次に、レースにおいて有利な枠の『色』
について検証してみましょう。
2、枠の色で言うと何色が有利?
日本の競馬において枠の『色』は、
内側から順に、
白(1枠)、黒(2枠)、
赤(3枠)、青(4枠)、
黄(5枠)、緑(6枠)、
オレンジ(7枠)、ピンク(8枠)
の8色に分かれています。
純粋に『距離』で考えれば、
内枠となる白、黒あたりの色が有利
と言えるのは間違いなさそうですが、
『そのレースにおける人気』
に注目すると
決してそうとは言い切れない面もあります。
今年の桜花賞で断然の1番人気に支持された
ラッキーライラックが1枠1番の『白』
を引き当てましたが、
競馬関係者やマスコミの反応は
決していいものではありませんでした。
その原因として、
1番人気で他の馬にマークされやすい『白』は
外の馬から被せられやすく、
結果として馬群に包まれるリスクが大いにある
からです。
かと言って『ピンク』が有利かと言えば
決してそうでもなく、
やはり他の馬より長い距離を走らされる不利は
かなり大きいのは間違いない
と言えるでしょう。
人気を背負う馬にとっては、
内の馬も外の馬も確認しやすい『青』、
もしくは『黄色』あたりが有利な色
と言えそうですね。
《まとめ》
枠順というのは多くの場合機械的に決められ
意図的に決められるものではないですが、
そこに人間が関与するとどうしても
『感情』といったものが働いてしまうだけに、
個人的には今の日本競馬における枠順の決め方は
現状のやり方がベストではないかと思います。
ただ、一点だけ苦言を呈するとすれば、
その枠順決定が見えないところで行われている
といった事実に対する意見が近年多いだけに、
もし可能であれば
GⅠレースにおいてはその枠順決定の様子を
映像で公開するくらいの対応策
があってもいいかもしれませんね。
『公正競馬』を謳っているいるJRAだけに、
こういった小さな部分からの改正が進んでいくのを
切に願うばかりです。