競馬の写真の判定! ゴール時の勝敗を分けるのはわずか2㎝?

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競馬のレースで2頭以上が、ほとんど同時に
ゴールした場合、着順掲示板に

写真

という文字が出ていることがあります。

これは、写真判定という意味で
一見では、どの馬が先着したのか
判断できないので、ゴールの瞬間の
写真によって着順を判定するというものです。

着順が変わることで、的中馬券や
関係者への賞金額も変わるので、
慎重を期さなければならない写真判定。

一体、どのような仕組みで撮影されているか
ご存知でしょうか?

今回は、意外と知らない写真判定のイロハを
ご紹介していきます。

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競馬の写真判定の仕組みはどうなっているの?

競馬は結果次第で、大きなお金が動くだけに
微妙な着差になる写真判定には
かなり精密な独自の技術が用いられています。

簡単に説明すると

ゴール板の真ん中0.02mm幅の写真を
1/10000~2/10000秒ごとに
撮り続けている

ということになります。

センサーの前を物体が通過すると
シャッターを切り続け、各馬がゴール板を
通過し終わるまで撮影しています。

これを「決勝写真撮影カメラ」とJRAでは
呼んでいてこれは、各競馬場に常設されている
わけではなく開催に合わせて設置。

芝とダート、それぞれ3台ずつが
ゴール板を狙っているということです。

競馬の写真判定をするのは同着のとき

肉眼では判断がしづらい接戦となった場合に
競馬では写真判定が行われます。

  • 息詰まる叩き合い
  • 外から差し馬が強襲

といったケースでしょうか。写真判定の結果、
わずかの差があった場合には「ハナ」と
着順掲示板に掲示されます。

しかし、まったく着差がなかった時には
「同着」の文字が出され、該当する馬の
着順が一緒になります。

同着については、こちらの記事もご覧ください。
⇒競馬の同着の払い戻しはどうなる? 過去の事例と合わせて解説

写真判定は、あくまでも通過順を
判断するためのシステムなので、
同着を決めるための仕組みではありません。

写真判定となった、ほとんどのケースで
「ハナ」差で順位がつけられています。

競馬の写真判定のスリットは9センチ間隔

先ほどもご紹介しましたが、
競馬で写真判定になった場合に使用する
写真は同じ位置で撮影された写真です。

0.02mm幅で撮られた写真を繋いで
馬体が現れるようになってくるので

正確には、2頭の距離の差ではなく
ゴールに到着した時間の差を表す
写真となります。

1/10000ごとに撮られた0.02mmの写真を
馬が走る時速60kmで計算すると
約9cmとなるので、1つのスリットが9cm
と言われることもあります。

ただ、0.0001秒差などでは、
わかり辛い面があるためメディアでは

わずか数cm差

なんて表現が使われたりします。
先ほどご紹介した動画は「1cm差」
と言われていました。

競馬の写真判定の画像は見ることができるの?

出典:http://keiba.blog.jp/

写真判定になった際の決勝写真と言われる
画像は、確定後にターフビジョンに
映し出されるほか

JRAのホームページ内のレース結果の中の
当該レースの着順や配当といった情報の下に
画像が公開されています。

スローのレース映像では同着のように見えた
レースでも、この画像を見ると、きちんと
差が確認できることも多いので、
気になった方は、チェックしてみてください。

競馬で誤審があった過去のレースとは?

長い競馬の歴史の中では、「誤審」
と言われるような判定が下ったことも
少なくありません。

この記事の最後に、写真判定にまつわる
誤審事件をご紹介します。

タケデンバード事件

1972年のクモハタ記念で、
タケデンバードとハクホオショウが
接戦でゴールイン。

傍目には、1着ハクホオショウ、
2着タケデンバードという感じでしたが、

決勝審判委員の肉眼による判断に基づき、
1着タケデンバード、2着ハクホオショウと
着順が決定。

当時でも、接戦の場合には、ゴール前を
撮影した写真を公開する慣習がありましたが

「何らかの原因で写真が
撮影されていなかった」
との理由で公開されませんでした。

このレースを受けて、写真判定による着順決定を
義務化する動きとなり、現在のルールの
礎を築きました。

阪神競馬場誤審事件

1986年5月31日の阪神競馬第4レースは
3頭が僅差で競り合いながらゴール。

決勝審判委員の目視と白黒のネガ写真を
もとに枠連4-5と発表。

しかし、写真判定用に撮影された写真を
場内に掲示する段階になって、
2着馬と3着馬の着順を逆に
判定していたことが発覚

発表した4-5とともに、本来の的中にあたる
5-5も的中として払い戻しをした
という事件。

こういった出来事を1つ1つ反省材料とし
少しずつ改良を続けて、現在の写真判定の
システムが出来上がっていったようです。

まとめ

今回は、競馬の写真判定について
ご紹介してきました。

公正競馬

を標ぼうするJRAだけに、かなり精密な
システムで写真が撮られていることが
わかりました。

現在ではデジタル技術の進歩に伴って
かなりの短時間で、着順を出せるように
なっていて、写真を引き伸ばしたりせず
公開するサイズで判定が下されているそうです。

見応えたっぷりのゴール前になった際には
こんな技術で、着順判定をしているんだと
思い出してもらえると幸いです。