うさぎが健康な時にする糞は
コロコロと丸いものですが、
何だか下痢ような糞をしていた
という経験がある人もいるかと思います。
うさぎは様々な理由で下痢をすることがあり、
形を留めない糞をしている場合は
病気の可能性もあり、
すぐに対処する必要があります。
今回はうさぎが下痢をする原因や、
対象方のほか、健康な糞と下痢の
見分け方について詳しく紹介。
下痢の時の対処法や
見分けがイマイチ分からない人は、
ぜひ最後まで記事を
チェックしてみてくださいね。
うさぎの下痢の5つの原因とは
うさぎが下痢になるのは、
腸内の環境が何らかの形で
乱れてしまっていることが原因です。
ですがその要因は様々で、
何が原因かを探ることが重要でもあります。
次の章では、下痢の原因として考えられる
5つの点について解説していきましょう。
1.寄生虫の感染
まず下痢を引き起こす原因の1つに、
寄生虫の感染があります。
この寄生虫はコクシジウムと
呼ばれるもので、顕微鏡でないと
確認できないほどの小さなものです。
感染経路は、コクシジウムに感染している
うさぎの糞に触れることで起こるため、
もし多頭飼いしている場合は
近づけないことが重要です。
2.食べ過ぎなどによる胃腸の機能低下
2つめに食べ過ぎによる、
胃腸の機能低下が考えられます。
うさぎは固形のペレット餌のほかに
牧草を一緒に与えます。
このペレット餌は高栄養価で、
うさぎの体重に見合った量を
与えるのが一般的です。
ですがこの高栄養価な食べ物は
腸内で上手く消化されずに、
下痢になってしまうことがあるのです。
うさぎのペレットの量の目安は、
その種の平均体重で
- 生後6か月までは約5%
- 生後6か月以降は約3%
が基本の量になります。
ペレットはこの量を守り、
あとは低カロリーの牧草を
食べ放題にしてあげましょう。
3.毛球症
毛球症とは、うさぎ自身が
毛づくろいなどにより毛を飲み込み、
腸内で消化できずに固まってしまい
消化不良を起こす病気です。
この毛球症が酷くなることで
下痢などの症状を引き起こすほか、
糞が出なくなってしまったり、
食事がとれなくなることも。
うさぎは常に胃腸を動かさないと
病気になって死んでしまうため、
早急な対処が必要です。
4.暑さやストレス
うさぎは汗をかかないため、
暑すぎても寒すぎても
体調を崩してしまいます。
また気温の寒暖差にも弱く、
それがストレスになり
下痢を引き起こすのです。
下痢になるストレスの原因はこれだけでなく、
騒音や飼育環境によるものあります。
うさぎが一年を通して快適に過ごせるよう、
ぜひ対策を取ってあげましょう。
5.餌に問題がある
うさぎに与える餌は
ほとんどが乾燥した状態ですが、
それでも封を開けて空気に触れれば
どんどんと酸化して鮮度も落ちていきます。
餌の保管状況が悪く、
劣化やカビなどが発生した餌を食べて
下痢を起こすこともあるため、
しっかりと封をして保管することが大切です。
その他、餌によってはうさぎの体質に合わず
下痢をしてしまうこともあります。
普段の様子を見て
他に原因が思いつかない場合は、
餌を見直してみるのも一つの手でもあります。
餌や牧草には賞味期限がされていますが、
開封後は1ヶ月~2ヶ月で
使い切るようにしましょう。
うさぎの下痢の5つの原因に合わせた対処・治療法
ここまでうさぎが下痢になる
5つの原因について解説してきましたが、
対処や治療については、それぞれの
原因に合わせた方法で行う必要があります。
次の章では、実際にどのように治療するのか、
原因ごとの対処法について
紹介していきましょう。
1.寄生虫が原因の下痢には駆虫薬
コクシジウムなどの寄生虫が原因で
下痢をしている場合は、
体内から駆除するほかありません。
駆除には病院で処方された
駆虫剤を使用します。
また感染したうさぎの糞には
コクシジウムが含まれていて、
糞などがそのままケージに残っていると
再度口から入り感染してしまいます。
駆虫剤を投与するのと同時に、
下痢で汚れてしまったスノコやケージは、
熱湯消毒などをして汚れを落としましょう。
2.細菌に感染している場合は抗生物質
寄生虫に感染して起こる下痢以外にも、
細菌が原因で起こる下痢があります。
細菌による下痢も寄生虫と同様に、
病院で治療を受けるしかありません。
病院では抗生物質の薬を
処方されることが多く、
投薬によって治療します。
細菌は外部からうさぎの体内に入る場合と、
もともと体の中にいたものが
ストレスなどによる抵抗力の低下によって
症状が現れるものがあります。
感染率も高いため、ケージなどの飼育用品を
熱湯消毒などで徹底的に行うほか、
多頭飼いの場合はすぐに隔離するようにします。
3.毛球症の場合は整腸剤や手術が必要になることも
消化器官に入った毛が固まってしまい
食欲低下や下痢を引き起こす
毛球症の治療は、整腸剤などを使用します。
また少し前までは、
抜けた毛を飲み込むことで胃の中で
毛が球状に固まることが
原因とされていましたが、
最近ではストレスなどが原因で
胃腸の働きが悪くなることで
毛が球状になり、
うっ滞を起こすと考えられています。
こちらの動画では、実際に換羽期に
下痢になってしまったうさぎの様子を
撮影したものです。
初期の段階では薬物治療で
治ることが多いですが、
悪化すると手術が必要な場合もあり、
早期治療が重要です。
4.ストレスが原因の場合は整腸剤を飲みながら飼育環境を改善
うさぎは病気以外にも、
ストレスで体調を崩して
下痢をすることがあります。
その場合は整腸剤などの
薬を飲んで治療をしながら、
飼育環境の見直しも行いましょう。
例えばケージのある部屋の室温が
うさぎが快適に過ごせる温度に
なっていない場合や、
テレビやスピーカーなどが近すぎて
うるさくて落ち着かずに、
ストレスになっていることがあるので
注意が必要です。
ストレスは下痢だけでなく
様々な病気の原因にもなりやすいので、
うさぎが快適に過ごせるように
飼い主がしっかりと管理してあげましょう。
5.餌が粗悪な場合は整腸剤を飲みながら餌を見直す
餌の品質が悪く下痢をしている場合は、
整腸剤で治療すると同時に
餌を見直すようにします。
本来は繊維質が豊富な餌を与えることで
腸内環境が整うのですが、
繊維質が少ないとうまく消化できずに
悪い菌やガスが溜まることもあります。
また販売されている時点で
餌が古くなっていることもあるため、
与える前には賞味期限をしっかりチェックし、
高温多湿を避けて涼しい場所で保管しましょう。
うさぎの下痢は危険なので応急処置よりもすぐに病院へ
うさぎが下痢になる原因は様々ですが、
どの場合も下痢は命にかかわります。
うさぎは犬や猫と違い、
常に胃腸を動かしておかないと
病気になる動物です。
そのため、24時間以上何も食べない状態が
続くことはかなり危険なことであり、
すぐに治療を開始しなければいけません。
下痢になっているということは
消化器官で栄養を吸収できていないことを
表しているので、すぐに病院へ
連れて行ってあげましょう。
うさぎの下痢にビオフェルミンを飲ませても大丈夫?
私たち人間が下痢をしたり、
お腹の調子が悪かったりするときに
飲む薬として「ビオフェルミン」が有名です。
ビオフェルミンには整腸効果のある
乳酸菌などが含まれ、腸内の善玉菌を
増やして調子を整えるという効果があります。
このビオフェルミンは
乳幼児にも与えることができる薬ですが、
赤ちゃんが飲めるならうさぎも飲めるのでは?
と思ってしまいますよね。
調べてみると実際に飲ませている人もいますが、
人とうさぎは体の構造も体重も異なるため、
慣れない人が飲ませるのはかなり危険です。
まずは病院で診察を受け、
獣医師から処方された薬を
飲ませるようにしましょう。
うさぎの下痢に人の薬を飲ませても大丈夫?
これは上の章でも解説した
ビオフェルミンを与えていいかという
疑問と似ていますが、
人の薬はうさぎに飲ませてはいけません。
人の薬も体重や年齢で
処方される量が違うように、
うさぎも人と薬の量が異なります。
また人には安全な薬も、
うさぎにとっては危険なものも
多くあるのです。
うさぎの健康な便と下痢の見分け方3つのポイント
下痢を引き起こす原因も色々ありますが、
中には病気ではなく軟便や盲腸便の
可能性もあります。
次の章からは、健康な便と下痢の
3つの見分け方のポイントについて、
解説していきましょう。
1.下痢の色
まず1つめに下痢の糞による
色で見分ける方法があります。
健康な場合は濃い茶色や緑色の
コロコロとした丸い糞をしますが、
糞が形を留めないほど水っぽく、
- こげ茶色
- 赤色
- 灰色
など、普段と違う色の糞なら要注意です。
すぐに病院へ連れて行きましょう。
2.軟便なら硬さもチェック
軟便と下痢はどちらも形が潰れていて、
なかなか見分けがつきにくいものです。
下痢か軟便かを見分けるには、
軟便の硬さをチェックしてみましょう。
下痢の場合は原形がありませんが、
軟便の場合は楕円形のような形で
触るとドロドロして潰れてしまいます。
下痢よりは緊急度は多少低いですが、
うさぎの調子が悪いことには変わらないので、
室温管理やストレスの原因などを探して
取り除いてあげましょう。
3.盲腸糞との違いも
軟便に似ているものに盲腸糞があります。
盲腸糞は腸内で作られたタンパク質や
微生物を多く含む糞で、
ブドウのような連なった形で出てきます。
体内で取り込みきれなかった栄養を
盲腸糞として出して食糞することで、
再度体内に取り込んでいるのです。
この盲腸糞は通常午前中のうちに
うさぎ自身が食べてしまうために、
あまり見かけることがないのですが、
いつまでも残っている場合があります。
盲腸糞が残っているときは、
- 盲腸糞を食べなくても栄養が足りている
- ストレスが溜まっている
- 消化器官に問題がある
ということが考えられます。
頻繁に盲腸糞が残っている場合は、
すぐに病院で診察をしてもらいましょう。
まとめ
今回の記事では、うさぎが下痢になる
原因や対処法について解説してきました。
下痢の原因になる要素としては、
- 寄生虫や最近による感染
- 胃腸の機能低下
- 毛球症
- 飼育環境によるストレス
- 餌が合わない
などがありますが、うさぎにとって下痢は
緊急性が高い症状でもあり、
命の危険にかかわります。
早期治療が回復へのポイントでもあるので、
すぐに病院へ連れて行ってあげてくださいね。
また人の薬を与えるのは、
うさぎと人の構造が違うことから、
かなり危険な行為です。
必ず動物病院で診察を受け、
処方された薬のみを与えるように
してくださいね。
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