愛犬が血便や粘液のような下痢をした…
いつもと便の様子が違うと
病気なのでは!?と驚いてしまいますよね。
原因は何なのか分からずに、
不安になってしまう方もいるかと思います。
私は動物看護師をしていましたが、
私自身も愛犬の下痢に悩まされたことが
あります。
原因が分かるまでとても不安だったので、
その気持ちはとても良く分かりますよ。
そこで今回は
犬の便の状態から分かる病気や体調について
ご紹介したいと思います。
危険な色や状態などから考えられる病気
について詳しくご紹介していきますね。
犬の便の状態は、体調のバロメーターです。
しっかりと観察して、
サインを見逃さないようにしましょうね。
犬の下痢の状態でわかる体調や病気
犬が下痢をすると、
下痢をしたことを問題視してしまいますが、
大切なのはその色や形状などの状態です。
一言で下痢をしたと言っても、
その下痢の状態で体調や病気の判断は
大きく変わります。
特に下痢の色は原因によって変化するので、
色を見ればだいたいの原因を判断することが
できるのです。
大腸からなのか、それとも小腸のからなのか、
消化器気管の異常か、出血はあるのかないのか、
下痢の色で判断することができます。
またストレス性のものや食べ過ぎによる下痢
の場合も色や状態に表れます。
いずれにしても
犬の下痢は何らかのトラブルの症状ですので、
色や状態、回数や他の症状等も合わせて、
しっかりと観察するようにしましょう。
【犬の下痢が赤い血便の場合】
犬の下痢が赤い場合には
肛門から近い場所で出血したものか、
大腸からの出血が疑われます。
赤い血が下痢に混ざっているのか、
それとも表面に付着しているのかで
どちらか区別することができます。
今回は大腸からの出血について
主に考えられる原因を説明していきます。
●大腸からの出血
大腸からの出血での血便は注意が必要です。
何らかの病気が原因で出血している場合には
すでに症状が進行している可能性があります。
このような血便が見られたらすぐに
動物病院を受診するようにしましょう。
1.食事内容
普段与えている食事が合っていないために
血便を起こすことがありますよ。
消化不良やアレルギーなどで、
内臓が荒れてしまっているためです。
- 穀物類が多く使われている食事
- 添加物や脂肪分も多い食事
- 与える量が多すぎている
- 繊維質が過多
- カルシウムが過多
このような食事が合っていないためかも
しれません。
元気で病気はないけれど下痢や血便が続く
という場合には、早いうちに食事の見直し
と与える量の見直しが必要でしょう。
2.細菌感染
細菌感染により血便を起こすこともあります。
何らかの細菌感染によって
細菌性腸炎になってしまう場合です。
犬が細菌性腸炎を発症すると
- 下痢
- 嘔吐
- 血便
- 激しい腹痛
- 元気がない
- 食欲がない
- 脱水症状
などが見られます。
また腹痛があるために、身体を丸めて
痛がる素振りを見せることもあります。
脱水になると命に関わる場合もあるため、
下痢がありいつもと様子が違うなと思ったら
早めに動物病院に連れて行きましょう。
細菌感染を起こす菌は犬にとって身近な菌で、
特に食べ物などを介し口から体内に侵入する
リスクが高いといえます。
犬に与える食品には十分注意し、
できるだけ火を通したものを与える方が
良いでしょう。
また古いドライフードのカビなどにも
注意が必要です。
さらに細菌に汚染された水や食器などを
舐めることで犬の体内に侵入することも
あります。
3.ウイルス感染
ウイルスに感染することにより
血便をする場合があります。
犬のウイルス感染症というと主に
- ジステンパーウイルス
- コロナウイルス
- パルボウイルス
などが挙げられますが、
どれもとても伝染力が強く、
死亡率も高い恐ろしいウイルスです。
特に子犬や免疫力の低い犬がかかりやすく、
また重篤化しやすい感染症です。
これらのウイルスに感染をすると
- 発熱
- 激しい下痢や嘔吐
- 元気がなくなる
- 食欲がなくなる
- 脱水症状
などが見られます。
下痢には血便がはっきりと見られ明らかに
普段とは違うので、そのような場合には
すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
これらの感染症はきちんと
ワクチンをしていれば特に心配いりません。
4.寄生虫
寄生虫に感染していると
血便を伴うことがあります。
寄生虫は感染犬の糞便や、ノミ、
母子感染により起こります。
寄生虫に感染した場合の症状は
- 下痢
- 血便
- 嘔吐
- 痩せていく
- 腹水が溜まる
- 貧血
などが見られます。
特に寄生虫は
犬の栄養を奪い成長していくため、
犬はいくら食べても栄養失調となり
痩せてしまうのが特徴です。
寄生虫感染が疑われる場合は
すぐに動物病院に連れて行き、
検便検査をしてもらいましょう。
とくに子犬は重症化しやすいので、
飼い始めたらすぐに動物病院で検査
を受ける必要がありますよ。
そして予防のためにも、
ノミやフィラリアの駆除薬を
定期的に行なうことが大切です。
5.腸内環境
腸内環境の悪化で、
血便をしているのかもしれません。
先ほど食事内容でも説明しましたが、
食事が合っていないと腸内環境が悪化し、
腸内が荒れて血便を起こします。
- 犬にとって危険な食材を与えていないか
- フードや水の品質は保たれているか
- 栄養バランスは整っているか
このようなことを
もう一度確認してみましょう。
6.ストレス
犬はストレスを感じると腸内が乱れ、
下痢や血便を起こすことがあります。
- 運動不足
- 愛情不足
- 急なダイエット
- 環境の変化
- 来客
- お出かけ
- 留守番
このようなことで犬は日々、
ストレスを感じているかもしれません。
ストレスは犬の問題行動の原因にもなり、
放っておくとさまざまなトラブルを
引き起こします。
- 大人しくなる
- 凶暴になる
- 無駄に吠える
- ぐるぐる回る
- 何度も前足をなめる
- 舌をペロペロする
- 食欲がなくなる
- 食欲が増える
このような場合には
一度生活を見直して、ストレスを極力
減らしてあげるようにしましょう。
こちらに
犬の下痢とストレスの関係について
まとめた記事がありますのでご紹介します。
病気との見分け方を詳しくご紹介して
いますので、参考にして下さいね。
7.腫瘍
なかには腫瘍が原因で
血便を起こしていることもあります。
特に肛門周囲や大腸に腫瘍がある場合
には、赤い血が付着するのも特徴です。
この大腸に発生する腫瘍は主に
腺癌、平滑筋腫、平滑筋肉腫、リンパ腫
などです。
症状としては
- 下痢
- 便秘
- 血便
- 便が細くなる
- 痩せていく
などが見られます。
また胃や小腸などの上部消化管で出血が
起こっている場合には、血液が胃や腸で
消化され黒色便として排泄されます。
犬の腫瘍は初期には余り症状がないため
早期発見しずらいといわれています。
しかし下痢には気が付きやすいので、
下痢をしたら愛犬の状態や便の状態を含め
しっかりと観察することが大切ですよ。
そして異変に気が付いたらすぐに
動物病院で見てもらうようにしましょう。
【犬の下痢が黒い血便の場合】
次にご紹介するのが黒色の血便の場合です。
黒い血便はタール便とも言われますが、
これは胃や十二指腸などの気管からの
多量の出血による色です。
血液が消化液などで酸化して黒色に変化し
黒色の便として排出されている状態ですので、
注意が必要ですよ。
犬が黒色の便をした場合には、
早めに動物病院に連れて行きましょう。
●食道・胃・十二指腸からの大量出血
比較的肛門に近いところでの出血だと
赤い血便が出ますが、
それに比べて濃くて黒い血便は食道や胃、
十二指腸からの大量の出血によるものです。
また誤飲や中毒を起こしている場合にも、
胃や食道に傷がつくことから
このような血便の原因となります。
ここで考えられる原因をご紹介します。
1.口腔や食道・鼻咽頭・肺などの病気
口腔や食道、鼻咽頭からの出血がある
場合にも、黒い血便が見られます。
口腔内や食道の傷から出血すると
そのまま飲み込んでしまうため、
時間がたち排出されるので
黒くなって出てくるのです。
まずは口腔内を見て、
出血していないか確認してみましょう。
また肺の病気で出血している場合も、
黒い血便が出ます。
黒い血便が出ている場合は多量の出血
の可能性があるので、いずれにしても
すぐに動物病院を受診してくださいね。
2.重症の胃炎
重度の胃炎により胃から出血し、
黒い便になっている可能性もあります。
胃炎の原因はさまざまですが、
- 中毒症状
- 誤食
- 感染症
- 重度のストレス
などが考えられます。
急性の場合には命に関わることもあります。
黒い血便と一緒に激しい下痢や嘔吐、
またいつもと違う症状がある場合には、
すぐに動物病院に連れて行きましょう。
3.胃・十二指腸の潰瘍や腫瘍(ポリープ)
黒い血便がある場合には、
胃や十二指腸の潰瘍やポリープも疑われます。
そして
もし潰瘍や腫瘍が出血している場合には
かなり症状が進み深刻な状態です。
他にも
- 嘔吐
- 元気がない
- 食欲がない
- 胃やお腹を触られるのを嫌がる
などの症状もみられるでしょう。
しかし
見た目だけではこのような病気には
なかなか気が付きにくいのが実際です。
早期発見のためにも定期的に健康診断を
受けることをおすすめします。
4.誤食
犬の血便のなかでもよくあるのが、
異物の誤食によるものです。
石や針の誤食、遊んでいたおもちゃなどの
異物を飲み込むことで、粘膜を傷つけたり
胃に穴を開けることもあります。
そしてそこから大量出血するのです。
中毒を起こす可能性のある食べ物の誤食を
した場合も胃が荒らされて血便を起こします。
血便をしたら犬の周りに危険物がなかったか、
しっかりと確かめましょう。
そして異物はすぐに取り除く必要があります。
思い当たる節がある場合には
早急に動物病院へ連れて行くようにしましょう。
【犬の下痢がゼリー状の粘液の場合】
犬の下痢がゼリー状になってしまうのは、
大腸や直腸に炎症が起こることで
腸内の粘膜が剥がれ落ち、
便と一緒に排泄されてしまうからです。
病気が原因で起こることもありますし、
病気以外の原因で腸が荒れてしまい
ゼリー状の下痢をすることもあります。
食欲や元気に問題がなく、ごくたまに出る
くらいであれば特に問題はありません。
ですが症状が続いたり
他にも気になる症状がある場合には、
動物病院に連れて行くようにしましょう。
病気が原因の場合には病気の治療が必要
ですが、病気以外の原因がある場合には
根本となる原因を取り除かなくては
下痢は治りません。
ですので
何がゼリー状の下痢の原因になっているのか、
しっかりと突き止めてあげましょうね。
次に原因をご紹介していきますね。
●腸内の傷や炎症
腸内が何らかの異物で傷つけられている
場合にもゼリー状の便が出ます。
風邪や菌、ストレスなどが原因で
炎症を起こしている場合も同様です。
腸内に傷が着くと粘膜が過剰分泌される
ために、下痢と共に排出されることも
あります。
また食べ物等で中毒を起こした際にも、
腸が炎症を起こし粘膜状の下痢をする
ことがあります。
一過性のものなら問題いりませんが、
何度も繰り返したり嘔吐や血便がある場合
には早急に動物病院に連れて行きましょう。
●寄生虫
寄生虫に感染しているときには
ゼリー状の下痢をすることもあります。
寄生虫によって腸があらされることで
粘膜が落ちるためです。
寄生虫に感染した際の症状については
血便の方でも説明した通りです。
症状としては先にゼリー状の下痢が出て、
さらに腸内が荒らされると血便が出る
ようになります。
●誤食
犬がゼリー状の下痢をしたときのは
誤食の可能性もあります。
- 遊んでいたおもちゃの誤食
- 落ちていたゴミの誤食
- 人間の食べ物の誤食
これらは普段の生活でよく起こる誤食です。
特におもちゃのプラスチック破片や
ボールのゴムのようなものは、
消化されずに下痢として排出されます。
異物は腸を荒らす原因になるので、
荒らされた粘膜まで排出されてしまうのです。
また怖いのが人間の食べ物の誤食です。
なかには犬にとって危険なものもあり、
そのようなものを誤食させてしまうと
腸が荒れてゼリー状の下痢を伴うことが
あります。
下痢をした後に元気があり
食欲もあるのなら問題いりませんが、
元気がなくなり下痢が続くようならば、
動物病院でみてもらう方が良いでしょう。
●繰り返す下痢
繰り返す下痢のために胃腸が荒らされて
粘膜が排出されることもあります。
下痢が慢性化してしまうと
常に腸粘膜が傷付けられ状態となるので
ゼリー状の便が出ます。
特にこの場合は、茶色や黄色の下痢が
ゼリー状になっていることが多いです。
また
繰り返しの下痢で胃腸が正常に働かず、
粘膜が過剰分泌されてしまうために
排出されているという場合もあります。
慢性的な下痢は細菌やウイルス感染の
リスクが高まったり、
腫瘍ができる原因にもなり兼ねません。
また飼い主も下痢に慣れてしまうために、
病気のサインが見つけにくくなったりする
ので注意が必要ですよ。
気になる症状がある場合には
早めに動物病院に連れて行き、
原因を突き止めるようにしましょうね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は犬の便の状態から分かる病気や体調
についてご紹介してきました。
犬の便の状態は、体調のバロメーター
ということが分かりましたね。
それぞれから考えられる病気について
詳しくご紹介してきましたが、
いずれにしても
愛犬にいつもと違う症状がある場合には
早めに病院に連れて行くようにしましょうね。
犬の下痢は飼い主にとっても
比較的気が付きやすい病気のサインです。
しっかりと観察して、
大切なサインを見逃さないように
しましょうね。
そして下痢の原因が病気ではなかったら、
下痢の対策を行なうことが大切です。
こちらに自宅でできるおすすめの対策法
をご紹介した記事がありますので、
ぜひ参考にして下さいね。
⇒犬の下痢は絶食するべき!?治すために自宅でできる対策5選!
それぞれにあった対策法で、
早めに下痢を改善させてあげましょうね!
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