うんちは健康のバロメーターといわれるほど、うさぎの健康状態を知ることができる大切な指標です。
とはいうものの、下痢をしていても元気や食欲があれば、「たまたまかな？」となんとなく見過ごしてしまいがちですよね。
そこで今回はうさぎの下痢について、元気や食欲があるときの原因や下痢を繰り返すときの治し方などを詳しくまとめてみました。
うさぎが下痢をしてしまったときにしっかりと対応できるよう、ぜひ覚えておきましょう。
うさぎが下痢だけど元気がある！原因は？
うさぎが下痢をしているからといって、必ずしも元気がなくなるわけではありません。
では、下痢だけど元気がある場合には、どんな原因が考えられるのでしょうか。
ストレス
自然界において、うさぎは常に捕食されるリスクにさらされています。そのため、非常にデリケートな動物であり、ストレスに弱い一面があります。
うさぎは
- 大きな音
- 不衛生な環境
- 不適切な温度や湿度
- 慣れない場所への移動
- 人間との過度なコミュニケーション
などに対してストレスを感じることが多く、ストレスから下痢をしてしまうことがあります。
不適切な食餌
うさぎは消化器も非常にデリケートで、繊維質が少なすぎたりタンパク質やでんぷんを摂りすぎてしまったりすると下痢をしてしまいます。
また、急にエサの内容が変わったり、果物や野菜を食べすぎてしまったりしても下痢になってしまうことがあります。
コクシジウム症
コクシジウムはうさぎの消化管に寄生する寄生虫で、軟便や下痢を引き起こします。
大人のうさぎであればコクシジウムに感染していても症状が出ないケースも多いのですが、仔うさぎの場合は症状が出やすく、衰弱して命を落としてしまうこともあります。
不正咬合（ふせいこうごう）
うさぎは一生歯が伸び続ける動物です。とはいうものの、上下の歯がうまく噛み合っていれば、摩耗して歯の長さは一定に保たれます。
しかし、何らかの原因で噛み合わせが悪くなってしまう（不正咬合）と、歯が異常に伸びてしまいます。すると硬いものを食べることができなくなるため、食餌のバランスが崩れ、下痢を引き起こすことがあります。
▼不正咬合になってしまったらてさん。上下の歯が噛み合っていない様子がよくわかります。
うさぎが下痢・軟便だけど食欲があるときは大丈夫？
うさぎが下痢や軟便をしていても食欲がある場合は、比較的症状は軽いといえます。ただし、下痢や軟便が続いてしまうと状態が悪くなり、急に食欲がなくなることもあります。
また、食欲があるからといって、下痢や軟便をしているのであれば健康な状態であるとはいえません。そのため、食欲がある場合にも、下痢や軟便をしているのであればすぐに動物病院を受診するようにしましょう。
うさぎが下痢で食欲がないときは？
うさぎは食欲が落ちて消化管の動きが止まってしまうと、命にかかわります。そのため、下痢をしていてさらに食欲がないということは、あまりよくない状況だと考えて良いでしょう。
放っておくと脱水症状を引き起こす可能性もあるため、下痢をしていて食欲がない場合は、一刻も早く動物病院を受診するようにしましょう。
うさぎが下痢を繰り返すのは危険？
うさぎが下痢を繰り返している場合、脱水や栄養不良といった危険な状況に陥る可能性があります。また、下痢でお尻周りが汚れることによって、皮膚炎を起こすリスクもあります。
そのため、下痢を繰り返す場合は、一度動物病院を受診することをおすすめします。
また、うさぎが繰り返し下痢をする場合はエサに問題があることが多いため、食餌内容を見直してみるのも良いでしょう。
一時的な下痢は大丈夫？
一時的な下痢の場合は大きな問題はないことがほとんどであるため、そのまま様子を見ていただいても大丈夫でしょう。
ただし、元気や食欲がないなど、他の症状も見られる場合は治療が必要になることもあります。
うさぎは体調不良をギリギリまで隠す習性があり、下痢以外の不調に飼い主さんが気付けないこともあります。そのため、下痢をしていたらなるべく早めに動物病院を受診するようにするとより安心でしょう。
うさぎの下痢の治し方とは
うさぎの下痢の治し方は、下痢を引き起こしている原因によって異なります。
基本的には内科的治療を行いますが、以下に代表的な治療法をいくつかご紹介します。
薬の服用
うさぎが下痢をしている場合は、整腸剤や下痢止め、お腹の調子を整える作用のあるサプリメントなどの服用をします。
また、コクシジウムに感染している場合は駆虫薬を投薬したり、全身状態が悪い場合には点滴を行ったりすることもあります。
快適な環境づくり
ストレスが原因で下痢をしている場合は、ストレスの元をなるべく取り除く必要があります。
また、ストレスの原因がはっきりしない場合には、うさぎになるべくストレスがかからないよう、落ち着いて過ごせる環境を整えることが大切です。
- 体を伸ばしたり適度に運動したりできるよう十分な広さのケージを用意する
- ケージを置く場所は人間の出入りが多い場所やテレビの近くなどを避ける
- ケージをこまめに掃除して衛生管理をしっかりする
- 年間を通して室温は18〜25℃、湿度は50〜60％をキープする
などができているかどうか、飼育環境を一度見直してみましょう。
食餌内容の見直し
食餌が原因で下痢をしている場合は、当然ながら食餌内容を見直す必要があります。
そもそもうさぎの主食はペレットではなく牧草です。そのため、うさぎがいつでも新鮮な牧草を食べられるようにしておきます。ペレットは1日に2回ほど、30分くらいで食べ切れるくらいの量を与えるようにしましょう。
野菜や果物はあくまでおやつの位置付けです。そのため、野菜や果物はコミュニケーションの手段として、時々与える程度にとどめます。
また、野菜や果物は水分が多いので、たとえ少量であっても乾燥させてから与えるとより良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
うさぎが下痢をしていても、元気や食欲があればそのまま様子をみてしまいがちです。しかし、急に元気や食欲が落ちたり下痢を繰り返したりすることで、危険な状況に陥る可能性も否定できません。
さらにうさぎは体調不良を隠す習性があるため、たとえ元気や食欲がいつもと変わらない場合でも、下痢をしていたらなるべく早めに動物病院を受診するようにしましょう。
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